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2009年10月17日
栴檀は双葉より芳し 囲碁若き名人誕生
囲碁の新名人誕生。
史上最も若い名人である。
昨年の名人タイトル戦で、現代最強といわれる張栩名人と対戦、
4勝3敗で悔し涙を流した(号泣した)のに引き続いて再度の挑戦で、
見事棋界最高のタイトル「名人」を奪取した。
それも記録つきの若さでのタイトル獲得である。
それまでの記録である趙治勳九段の「王座」獲得年齢21歳11カ月より
一歳以上も若い20歳4カ月である。
名人タイトルに限ってみると、林海峰九段の23歳4カ月の記録がある。
井山新名人は、それを3歳も縮めたのである。
敗れた張栩さんは、まだ4つタイトルを保有し、
その牙城は容易には揺るぎそうもない。
この両棋士の対局が、これから大いに楽しみである。
張さんは外国人棋士である。
日本の囲碁界はいまや外国人棋士によっ席巻されようとしている、
あるいは席巻されている。
という現在の状況に日本人の「名人誕生」によって、
その流れにブレーキをかけたともいえようか。
ところが、不思議なことにこの「日外対局」、大相撲ほど燃え上がるものが
私の心の中にわいてこないのだ。
それより、張さんの名人位失墜を惜しむ気持ちの方が強い。
張さんの「七冠制覇」が遠のいたことを惜しむ思いも否定できない。
蒙古人に制圧され協会、観客ともに馬鹿にされている日本の大相撲にも、
そんな強力な日本人力士が生まれないものかと口惜しい。
囲碁界に対しては、そんな思いもなく棋士の国籍に関係なく楽しんでいる私は
久しぶりに「アンチ張栩」の「国粋主義?」を奮い起こそうとしたがダメだった。
囲碁界のガイジン棋士は、見事に囲碁の伝統を尊守して、
日本人以上に日本人棋士だとさえ言える。
憎悪の対象にならないのだ。
大相撲の蒙古人たちよ、彼らを見習えといいたい。
腹が立ってきたので、ちょっとした表をつくってみた。
囲碁七大タイトル初獲得時年齢順位
初タイトル 獲得年齢 入段年齢 タイトル獲得数
(1)井山裕太(20) 名 人 20歳 4カ月 14歳 4
(2)趙 治勳(53) 王 座 21歳11カ月 11歳 71(史上最高)
(3)山下敬吾(31) 碁 聖 21歳11カ月 15歳 15
(4)石田芳夫(61) 本因坊 22歳10カ月 15歳 24
(5)柳 時勳(38) 天 元 23歳0カ月 17歳 8
(6)趙 治勳(53) 碁 聖 23歳1カ月
(7)林 海峰(67) 旧名人 23歳4カ月 19歳 35
(8)張 栩(29) 本因坊 23歳5カ月 14歳 29
(9)張 栩(29) 王 座 23歳10カ月
(10)小林光一(51) 天 元 24歳4カ月 15歳 59
すばらしい、プロ棋士になった(入段)のが全員、成人前である。
15歳以下中学生棋士が6人、中学卒業後は2名しかいない。
しかも彼らはその後も大活躍をしている。
小学校5年でプロ棋士となった趙治勳さんは、これまでに71もの
タイトルを獲得している。史上最高記録である。
張前名人の舅である小林九段も、59ものタイトルを獲得してきた。
まさに「栴檀(せんだん)は双葉より芳し」である。
「早熟の天才」なのだ。
井山新名人は、一見強そうにはみえない。鋭いという感じもしない。
ごく普通の若者で、たいへんシャイのようにみえる。
こんな大記録をつくろうなんて、思いもよらない人である。
頼りなげにさえみえるときがある。
ところが、話している姿を見ると、これが20歳の若者とは思えない。
落ち着いて、配慮の行き届いた発言、出来すぎて面白くないほどだ。
そしていて、対局するとスケールの大きく、そのうえ緻密な碁を打つのだ。
このひとの対局をみていると、そんな感じがする。
逆に解説者の「力量」が問われる、
つまり普通のプロのレベルを超えた碁を打つのだ。
それを見事に解説してくれると、一段と碁が面白くなる。
囲碁「三級」の免状の私でも、その素晴らしさがよく分かる。
だから囲碁は楽しい。
投稿者 takaakira : 2009年10月17日 15:52